
ハゲとか言うな!宣教師・ザビエルの髪型(トンスラ)にはどんな意味があるのか?:2ページ目
自発から強制、廃止へ
かくして始まったトンスラは、6世紀には普及していたようです。
ベーダ・ヴェネラビリス『教会史』でもトンスラこそが聖俗を峻別する証であることが言及されました。
当時は長髪が当たり前だった中で、トンスラを剃るのは大変に勇気が要ったことでしょう。
だからなのか、始めはトンスラも強制ではなく、求道者の意思に任されていました。
しかし13世紀ごろになると全聖職者に強制されるようになっていたそうです。
こういうのは自発的な意志こそが尊いのであって、強制し始めるようになると、次第に精神が形骸化していくのは避けられません。
そして約7世紀にわたって聖職者のトレードマークとなっていたトンスラ。しかし20世紀に入るとその意義が問われるようになり、1972年には公式に廃止されたのでした。
ただし一部では緩和された形で残っており、司祭に叙階される者は後ろ髪をハサミで丸く2~3センチほど刈り取る儀式があるそうです。これはトンスラの名残なのでしょうか。