人々の切実な願望を祈願した象徴「陰陽石」とは?奈良・水谷神社の「子授石」についての考察【前編】:2ページ目
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本殿・若宮に次ぐ聖地とされる水谷神社
今回ご紹介する「陰陽石・子授石」がある「水谷神社」は、春日大社の摂社でその筆頭の地位を与えられています。つまり、春日大社の中心である本殿・若宮に続く聖地というわけです。
神社の名称である「水谷」は「みずや」と呼び、春日大社の中心部から若草山に抜ける途中に鎮座します。「水谷」という名の通り、春日山原生林を水源とする水谷川沿いに社殿を構えます。
春日大社は、言わずと知れた奈良時代に創建された平城京の守護神で、藤原氏の氏神を祀る神社です。
同社は、毎年100万人近くの人々が参拝する古都奈良でも有数の人気スポット。しかし、同じ春日大社の神域にありながら「水谷神社」は、多くの人々で賑わう本殿や若宮とは異なり、いつ訪れても神秘的な静寂さが漂います。
春日大社を参拝した観光客の多くは、若草山の山麓経由で東大寺に向かう際に同社の前を通りますが、ほとんどの人が参拝せずに素通り状態。
ごくわずかな人が、立ち止まり社殿に手を合わせ熱心にお祈りをしています。でも、そんな知る人ぞ知る神社だけに、独特の雰囲気が保たれているのだと逆にうれしくなってしまうのです。
それでは、前編はここまで。後編では、「水谷神社」の詳細と、そこに置かれた「陰陽石」について考察しましょう。
【後編】の記事はこちら↓
人々の切実な願望を祈願した象徴「陰陽石」とは?奈良・水谷神社の「子授石」についての考察【後編】
古来より信仰の対象として祀られていた「陰陽石」は、人々の生活と密接し、その切実な願望を祈願した男女の陰部を象った自然石です。[insert_post id=242021]【後編】では、…
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