”やりがい搾取”は昔から?江戸時代の作家たち、なんと原稿料はほぼゼロ円だった!【大河べらぼう】:2ページ目
まさに「やりがい搾取」?
しかし本屋の連中ときたら、どれほど大儲けしても、本の筆者に支払う報酬はどこまでのケチりました。
年始のお年賀や年末のお歳暮として錦絵や絵草紙でも贈ってくれればまだマシな方……って、それお店の売れ残り(何なら刷り損じ)じゃないでしょうね!?
そんな具合ですから、もちろん原稿料なんてくれるはずもありません。
たまに大ヒットを飛ばしても、その作者や絵師、彫師を吉原遊廓へご招待……する訳ないでしょう。
稀に金目のモノとして、絹や縮緬(ちりめん)なんかをくれることもありますが、労力にはとても見合いません。
流行りの作家でさえそんな待遇なので、新人作家などはもう大変。
何ならこっちから原稿にお金(二分ないし三分)を添えて「掲載してください」と本屋に挨拶する始末。これじゃ作品というより広告です。
まぁそこまでしても自分の書いた文章を世に出したい、できれば読んでほしいという思いが、彼らの創作活動を支えたのでしょう。まさに現代の「やりがい搾取」に通じますね。
だから当時の戯作者たちは文字通り戯れ(趣味)の範囲でしか作品を書けず、他の仕事で生計を立てているのでした。
