手洗いをしっかりしよう!Japaaan

キンキン野郎と濡れ手に粟餅…【大河べらぼう】2月9日放送の振り返り&掘り下げ解説

キンキン野郎と濡れ手に粟餅…【大河べらぼう】2月9日放送の振り返り&掘り下げ解説:2ページ目

赤本・青本から黄表紙へ

子供向けの赤本に対して、大人向けの青本。劇中でもつまらないと言われていましたが、筋書きやセンスが陳腐化していたようです。

ところで、この赤本とか青本には、どのような違いがあったのでしょうか。

当時こうした庶民向けの娯楽書籍は絵草紙(えぞうし)または草双紙(くさぞうし)などと呼ばれ、ジャンルごとに色分けされていたと言います。

赤本:主に子供向けの御伽噺など

青本:主に演劇や勧化、通俗演義など

勧化(ごんげ)とは仏教的な教訓、通俗演義とは歴史読み物的な意味です。

ちなみに青本と言いますが実際には萌黄色が多く、次第に色あせて黄色(藁色)になっていきました。

また青本の中でも黒本と呼ばれるジャンルがあります。

こちらは忠義や仇討ちなど武士道的な作品が取り上げられています。硬派な印象ですね。

庶民の娯楽として普及したこれらの絵草紙ですが、どれも浮世離れしていたため、次第に飽きられてしまいました。

令和の現代に喩えれば、コテコテの時代劇や昔話を喜んで視聴する大人が少ないようなものでしょう。

この状況を打破しようと試みられたのが、恋川春町(こいこわ はるまち)の『金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)』。現実世界をモチーフに、知的でナンセンスな笑いを描きました。

これがヒットを飛ばし、後に黄表紙と呼ばれる新ジャンルを打ち立てたのです。

3ページ目 恋川春町『金々先生栄花夢』とは?

 

RELATED 関連する記事