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「りんご」は日本古来のもの?欧米のもの?誰が、いつから栽培したの…?日本りんご史に迫る【前編】

「りんご」は日本古来のもの?欧米のもの?誰が、いつから栽培したの…?日本りんご史に迫る【前編】:2ページ目

黒田清隆が日本へ持ち込む

その後、現在の私たちがりんごと聞いてイメージする、あのりんごの直系の先祖にあたるセイヨウリンゴがヨーロッパから伝わります。

きっかけは、1871年(明治4年)に、北海道開拓の黒田清隆がアメリカから苗木75種を持ち帰ったことでした。

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その後、1874年に内務省勧業寮が苗木の配布をスタートさせ、各地で栽培が始まります。

そして1879年、北海道で配布したりんごが初めて結実しました。

セイヨウリンゴの栽培が盛んになってからは、ワリンゴはほとんど作られなくなり、今では一部の地域だけに残っています。

例えば、先に名前を挙げた「高坂りんご」がそうです。長野県飯綱地方に残るワリンゴで、明るいピンク色をしたゴルフボールほどの小さな実をたくさんつけます。

これはお盆のお供え物のほか、シードル酒の原料に利用するなど、現在はその価値が見直されています。

【後編】では、明治末期以降の日本のりんごの歴史と、現在も成長し続けている国内で最も古いりんごの樹についてご紹介します。

参考資料:
安田守『調べる学習百科 りんごって、どんなくだもの?』2017年12月31日発行、岩崎書店
りんご大学
画像:photoAC,Wikipedia

 

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