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遊びせむとや…実に業が深い後白河院がまとめた平安時代の今様集『梁塵秘抄』の歌を紹介!

遊びせむとや…実に業が深い後白河院がまとめた平安時代の今様集『梁塵秘抄』の歌を紹介!:2ページ目

誰もが仏となれるのに……

(二三二)仏も昔は人なりき われらも終には仏なり
三身仏性具せる身と 知らざりけるこそあはれなり

※『梁塵秘抄』巻第二

【意訳】仏様だって、かつては私たちと同じ人間だった。私たちだって、死ねば仏となるのだ。
元から仏性(仏となる資質)を備えているのに、そうと知らず怠けてばかりいる私たちは、何と愚かしいことだろうか。

……これも極楽浄土のたとえに近いですね。

誰もが仏となれるのに、そうと知らず、あるいはなれぬと決めつけて怠ける言い訳にする。

自分で自分の可能性を封じてしまうとは、実にもったいないことではないでしょうか。

熊野詣での最短ルートは?

(二五六)熊野へ参るには 紀路と伊勢路のどれ近し どれ遠し
広大慈悲の道なれば 紀路も伊勢路も遠からず

※『梁塵秘抄』巻第二

【意訳】熊野詣での道のりは、紀州ルートと伊勢ルートのどちらが近いだろうか?遠いだろうか?
仏の救いを求める道なのだから、どちらから行っても遠くはなかろう。

……いやいや、どちらも遠く険しいでしょう。という話ではなく、やはり「最初から遠いと諦めないで進んで行けば、必ず到達できる」という教えです。

紀州がよいか伊勢がよいかなど考えず、まずはゆくのだ。そんな心意気が伝わりますね。ませんか?

3ページ目 愛でたき舞、をかしき舞

 

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