公卿のボイコット、道長に祟り、怪文書…どこまでが忠実?【光る君へ】史実を基に11月3日放送を振り返り:4ページ目
まひろの「雲隠」と宇治十帖
「『光る君の物語』も、今や何の役にも立たない」
道長にそんなことを言われたからか、まひろはすっかり創作意欲を失ってしまったようです。
「雲隠」とだけ記した書き置きを残して内裏を去ってしまったのでした。
これが後に『源氏物語』第41帖「雲隠」となった……という解釈ですね。
光源氏の出家と最期が描かれたとされる本帖には本文がありません。
これは永い歳月を経て散佚してしまったのか、あるいは読者の想像に任せるためあえて書かなかったのか、諸説分かれるところです。皆様は、どう思いますか?
そして道長の重篤を知って宇治へ駆けつけ、(冗談半分でも)死ぬか生きるかと語り合い、再び生きる誓いを立てたのでした。
そんな宇治の地で着想を得たとされるのが、光源氏の死後に子孫たちの活躍を描いた、いわゆる「宇治十帖」。
第45帖「橋姫」から、第54帖「夢浮橋」の物語完結までを指します。
- 第45帖・橋姫(はしひめ)
- 第46帖・椎本(しいがもと)
- 第47帖・総角(あげまき)
- 第48帖・早蕨(さわらび)
- 第49帖・宿木(やどりぎ)
- 第50帖・東屋(あづまや)
- 第51帖・浮舟(うきふね)
- 第52帖・蜻蛉(かげろふ)
- 第53帖・手習(てならひ)
- 第54帖・夢浮橋(ゆめのうきはし)
宇治十帖については、別の作者が書いたとする説もあるそうです。
ともあれ再び創作意欲が湧いたまひろ。彼女が生きている限り、道長は何度でも復活することでしょう。
第43回放送「輝きののちに」
三条天皇(木村達成)の暮らす内裏で度々火事が起こり、道長(柄本佑)は三条の政に対する天の怒りが原因だとして、譲位を迫る。しかし三条は頑として聞き入れず対立が深まる。その後、道長は三条のある異変を感じ取る。その頃、まひろ(吉高由里子)は皇太后・彰子(見上愛)に仕えながら、源氏物語の執筆を続ける中、越後から帰京した父・為時(岸谷五朗)と再会。さらに娘・賢子(南沙良)から恋愛の相談をされて…
※NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより。
まひろ成分を補充して元気いっぱい?の道長は、打って変わって病魔におかされつつある三条天皇へ反撃開始。
地位と権力にしがみつく暗君に対して、しつこく譲位を迫ります。
もう忘れていいと言われた約束だけど、ここで果たさなくちゃカッコ悪い。と思っているのかいないのか、自分の孫を皇位につけるまで、道長の闘いは続くのでした。
そんな中、賢子は双寿丸にフラれたのでしょうか?何だかぎこちない母娘の青春絵巻も繰り広げられるようです。
大河ドラマ「光る君へ」第43回放送「輝きののちに」次週も注目していきましょう!