古代日本の「古墳」は誰が設計していたのか?倭国の土木技術を支えたプロフェッショナル集団「土師氏」の存在
古墳とは
そもそも古墳は、水田開発を積極的に推し進めた古代の豪族が、自らの開発地域を一望できる場所に墓所を造営したことが始まりだと考えられています。
そして、豪族の力が高まると、首長霊信仰が生まれ、巨大な墓所が次々と造られるようになったのでしょう。
当時の首長とは、蘇我氏や物部氏などの中央政界で力をもつ豪族や、地方を支配する豪族を束ねる者のことです。
たとえば、蘇我氏という組織全体が「豪族」であり、蘇我馬子のような人物が「首長」となります。
豪族を率いる首長は、その家の神が守る唯一の人間として、豪族の構成員に命令を下すことができます。そして、死んだ首長は首長霊の一員となって、次の首長を守します。
したがって、新たな首長は、前の首長のために神を祀るにふさわしい墓を造る必要があり、当時の最高の技術を駆使して古墳がつくられることになりました。
逆にいえば、先代の古墳を築く人物こそ、周りから正統な後継者と認められたわけです。