【光る君へ】紫式部と仲良しすぎて道長も手が出せず!? 親友・小少将の君とはどんな女性だった?:2ページ目
恋人のいない二人
その甲斐あって?か、小少将の君と紫式部には恋人が出来ませんでした。良かったのかどうだか……。
「私たち、彼氏なんていなくても平気だもんねー」
「ねー」
なんて言ったかは分かりませんが、お互いに恋人がいないことについて、詠み交わしたエピソードが『紫式部集』に伝わっています。
ある年の6月7、8日ごろ。小少将の君がこんな和歌を詠みました。
(六七)
うちに、くひなのなくを、七八日の夕づくよに、小少将の君
新勅あまのとの 月のかよひぢ ささねども
いかなるかたに たゝくくひなぞ※『紫式部集』より
【意訳】誰か来ないかと期待して戸締りせずに寝ているけれど、ウチには誰も来てくれない。どこかで戸を叩く音がするばかりで、ウチにも来てくれればいいのに……。
これに対して、紫式部が返歌を詠みます。
(六八)
同まきのとも ささてやすらふ 月かげに
なにをあかずと たゝくくひなぞ※『紫式部集』より
【意訳】音がするだけまだマシでしょ?ウチなんか音すら聞こえやしない。その水鶏(くいな。男を指す)は、何が悲しくて閉ざされている戸を叩くんでしょうね……。
せっかくオープンにしている戸があるのだから、こっちに来ればいいのに……そんな二人は嘆きを共有しながら、友情を深め合ったようです。