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幕末、開国を迫ったペリー提督は実はたくさんの「おみやげ」持参だった!おみやげ戦略の意図とは

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ペリーの「おみやげ戦略」?

もちろん、ペリーがこうした数々のアイテムを用意したのは、巧みな戦略のひとつでした。彼は日本を本気で攻撃するつもりはなかったものの、圧倒的な文明力の差を見せつけて恫喝することは、開国を迫るうえで有効だと考えていたのです。

もともと彼は来航前に日本について研究し、日本人に対しては、下手にダラダラと交渉するよりも、その鼻をへし折るような交渉の方が有効だろうと分析していました。

電信機や汽車のおもちゃを用意したのは、そのような理由からだったのです。

彼のこの作戦は、結果的には当たりでした。幕府側は通商開始を拒否しつつも、領事裁判権や治外法権、最恵国待遇などの不平等な内容を条約に盛り込むことを了承しています。

もっとも、不平等な内容と言っても、当時、西欧列強から同様の不平等条約を結ばされたアジアの他の国々に比べると遥かにマシなものではありました。その意味では幕府側もうまく交渉したと言えます。

幕府とアメリカの外交交渉は、おもちゃの汽車が走った時点から既に始まっていたのです。

参考資料:歴史の謎研究会『舞台裏から歴史を読む 雑学で日本全史』2022年、株式会社青春出版社

画像:photoAC,Wikipedia

 

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