愛娘・彰子が生贄に!暗雲たちこめる夫婦仲ほか…大河ドラマ「光る君へ」6月30日放送の振り返り:3ページ目
宣孝との夫婦喧嘩
さて、早くも暗雲たちこめているまひろと宣孝の結婚生活。
かつて「すべて包み込む」と言ってはみたものの、価値観があまりにも違い過ぎたのでしょうか。
言われてみれば、宣孝は面白い人物ではあるものの、まひろと価値観が同じor似ていると描写されたことはありませんでした。
女遊びは想定していたものの、道長との関係を持ち出されては灰をぶちまけたくなるのも道理です。
娘ほどの妻を相手に、宣孝も大人げありませんね。
ちなみに「文をあちこちで見せびらかして怒りを買った」エピソードは、婚前のものです。
(三二)文散らしけりと聞きて、「ありし文ども、取り集めてをこせずは、返り事書かじ」と、言葉にてのみ言ひやりければ、「みな、をこす」とて、いみじく怨じたりければ、正月十日ばかりのことなりけり。
閉ぢたりし 上の薄氷(うすらひ) 解けながらさは絶えねとや 山の下水
※『紫式部集』より
【意訳】宣孝が文を散らした(他人に見せびらかして自慢していた)と聞いて「全部返しなさい!でなけりゃ二度と文は書きません!」と詰め寄ったところ、宣孝は「ごめんよ、全部返せばいいんだろ?」と不貞腐れたのであった。
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やりとりを見ていると「よくこんな相手(宣孝)と結婚したね?」と思ってしまいますが、それを乗り越えて結婚に踏み切るだけの魅力があったのだと思います。
しかし本作では道長&まひろ推しなので、今後宣孝はひたすら嫌な奴に描かれるのでしょうか。
第27回放送「宿縁の命」は7月14日(日)
今回は「宣孝が残念な人だったから、やっぱり道長に惹かれてしまうのは仕方がないよね?」……そんな言い訳を聞いているような回でした。
全体を通して思うのですが、まひろ(紫式部)と道長を絶対に悪く描きたくないあまり、周囲を落としてしまうのはちょっと残念です。
紫式部や藤原道長を知らない人はいないでしょうが、例えば宣孝なんて本作が終わったら二度と見聞きしない人は少なくないでしょう。
大河ドラマのイメージはその後数年から数十年にわたって定着しかねませんから、マイナー人物ほど慎重かつ愛とリスペクトをもった取り扱いを期待します。
話を戻して、次週7月7日は東京都知事選のため放送休止、7月14日の27回放送は「宿縁の命」。
道長とまひろが惹かれながらもそれぞれ別れていく、そんな展開が予想されます。
もしかして、そろそろ妊娠する子供(一人娘の藤原賢子)は道長の子という設定にするのでは……サブタイトルが示す宿縁とは、道長とまひろを指しているのか、次回も注目ですね!
トップ画像:大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより