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江戸時代の参勤交代制度の“真の目的“とは?「各藩の経済力を削ぐため」は俗説で40年前に否定されていた【後編】

江戸時代の参勤交代制度の“真の目的“とは?「各藩の経済力を削ぐため」は俗説で40年前に否定されていた【後編】:3ページ目

陰謀論は論外

このように見ていくと、参勤交代制度は各大名の力を削ぐために徳川幕府が考案したオリジナルの制度ではないことが分かるでしょう。その目的はあくまでも武士の昔ながらの慣習の維持にあったと言えます。

そして幕府は、そんな参勤交代に無駄なお金が費やされて、人々が苦しむのを良しとはしていなかったのです。

こうしたことからも、「参勤交代=大名の力を削ぐための制度」という説が、現代の教科書にも載っていない理由が分かるでしょう。この説は、今の歴史学では論外とされているのです。

私たちはつい、歴史上の出来事について、その裏側に「隠された真実」があると思いがちです。

はっきりそう考えていなくても、そうした「真実」らしきものが示されると、妙に納得してしまうものです。

しかし世の中の全てに「隠された真実」があるわけもありません。

この参勤交代についても「幕府は、諸大名の経済力を弱め、幕府に逆らえないようにするために参勤交代をさせた」というのはある種の陰謀論だと言えるでしょう。

参考資料:
浮世博史『古代・中世・近世・近代これまでの常識が覆る!日本史の新事実70』2022年、世界文化社

 

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