外国人も驚嘆!江戸時代の社会インフラは当時の欧米先進国よりも日本が遥かに優れていた:3ページ目
識字率をめぐって
ここまでは当時の日本の社会インフラのことを説明しましたが、それでは教育インフラについてはどうでしょうか。
これは有名な話ですが、当時、教育インフラが全国に広まっていたことについても外国人たちは驚嘆しています。
西洋を圧倒!江戸時代に日本が世界屈指の「識字率」を誇っていた理由とは?
「文字の読み書きができることは当たり前――」そんなふうに思ったことはありませんか?この、文字の読み書きができることを「識字」といい、読み書き能力をもつ15歳以上の成人が同年齢の人口にしめる割合…
トロイ遺跡の発掘で有名な、『古代への情熱』の著者でもあるシュリーマンは慶応元年(1865)に来日していますが、この時、学習塾である江戸の寺子屋を視察してこう述べています。
「自国語を読み書きできない男女はいない」。
ただ、実際には簡単な読み書きしかできない者が多く、現在では「昔からの日本人の識字率の高さ」については疑問が持たれているのも事実です。その点は、私たちはこれまで過大評価してきた傾向があったかも知れません。
ただ、それはそれで、過大評価の反動としてまた極端に過小評価する説(日本の識字率は非常に低かった、など)が出てくる可能性もあり、そのあたりの真偽については今後の研究の成果を待ちたいところです。
ともあれ、徳川時代からある程度の教育インフラが整備されていたことは間違いなく、それが明治政府の教育政策の基礎になっていったと言えるでしょう。
参考資料:
日本史の謎検証委員会『図解 幕末 通説のウソ』2022年