平安貴族の男性のお尻から長〜く伸びてる、あの帯って何なの? 〜平安時代の衣装の疑問アレコレ:2ページ目
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牛車から衣装がちらっと見える「出車」
源氏物語など王朝文学でよく表現される、牛車の御簾から女性貴族の装束が押し出されて見える描写がありますよね。「出車(いだしぐるま)」というのですが、あれって、本当にそんなうまいこと見えるのかな?と思いますよね。
実は牛車内には天井から「手形」と呼ばれるグリップがついていて、そこをつかむと丁度袖が御簾から自然とはみ出るようになるそうです。うまいことできてますね。
また、基本顔を見せない女性貴族たちが御簾の向こうから着物の裾を見せる「打出(うちいで)」。
顔を見せずに自分の品位やセンスをアピールする女性のテクニックの一つですが、後年様式化され、年中行事の場合などは文机を使って装束を被せて部屋の内側に並べて御簾から一部を見せるという、いわば装飾品のような使い方もしたそうです。
中に本物の女性が座っていたとは限らないのですね。
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