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現代にも残る日本の「禁色(きんじき)」とは?そしてたった二人だけが袖を通せる、その名も「絶対禁色」

現代にも残る日本の「禁色(きんじき)」とは?そしてたった二人だけが袖を通せる、その名も「絶対禁色」

日本の禁色(きんじき)ってご存知ですか?

禁色とは8世紀の律令制において、位によって着る衣服の色(袍の色)が決められ、他の人は着ることが許されなかった色のことを言います。禁色に対して、誰でも着ることが許された色を「ゆるし色」と言われました。

禁色としていちばん有名なのは、聖徳太子が定めたと言われる「冠位十二階」の色ですね。中学の歴史でも習ったので「あ~聞いたことがある!」という方もいるでしょう。

最も位の高い人が着るのは、「濃紫」(こき)と呼ばれる濃く深い紫でした。最も低い位の色は「黒」でしたが、中でも薄黒という薄い黒(墨くろのような色)が最下位色でした。

色を濃く染めるには染料がたくさん必要なので、薄い色はどうしても位の低い人が着る色となったのです。同じ紫でも濃紫(こき)に比べ、薄紫(うすき)は位が下がります。

昔はこうして官職によって着る服の色を制定し、その位の人以外は着ることが許されませんでした。

絶対禁色(ぜったいきんじき)

そして、どんなにがんばって立身出世しても、絶対に着ることが許されない「絶対禁色」というのがあるのです。それが、天皇の袍の色「黄櫨染」(こうろぜん)と、皇太子の袍の色「黄丹」(おうに)です。

黄櫨染(こうろぜん)

平成生まれの人でなければ、今上天皇が「即位の礼」でお召しになった金茶色の袍の色を覚えているのではないでしょうか?あの色が「黄櫨染」で、21世紀の現代においても、天皇以外は着ることが許されない日本の禁色です。

山櫨の樹皮と赤の染料である蘇芳の芯材から染めた色で、この色を出すのはとても難しいのだそうです。熟練の染師でも毎回同じ色に染め上げることが出来ないくらいで、歴代の天皇で若干の濃さの違いがあるようです。

そして、もうひとつの禁色は皇太子の袍の色と決められた「黄丹」(おうに)です。

2ページ目 日本の皇太子のみが着ることのできる色「黄丹(おうに)」

 

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