幕末期、新選組は「刀」に見切りをつけていた!西洋式戦術を取り入れた柔軟な戦闘スタイル【後編】:2ページ目
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和装で刀剣を振るう隊士はいなかった
それでも鳥羽・伏見の戦いでは、多くの隊士が、今さら刀剣にこだわっても犬死にするだけだと分かっていました。
この戦に敗北してからも、新撰組は降伏することなく甲陽鎮撫隊として各地を転戦したのはご存じの通りです。
そして局長の近藤勇が処刑されてからも、元隊士の多くは新政府軍と戦い続けました。彼らはほとんどが洋装に身を包んで小銃を装備しており、少なくとも和装で刀を振るう者はいなかったといわれています。
新撰組は「最後の武士」などと言われており、私たちもついそのイメージに心酔してしまいますが、実際には武士として刀を振るうことに固執していたわけではありません。実は新撰組は状況に応じて西洋式の戦術も取り入れていた、柔軟な思考の組織だったのです。
私たちが心酔しているのは新撰組の実像に対してではなく、私たちの中にある理想像に対してなのかも知れませんね。
参考資料:
日本史の謎検証委員会『図解 幕末 通説のウソ』2022年
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