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そうだったの?江戸時代 「江戸時代は平和」だって?そんなの大間違い!現代に通じる悪党らの卑劣な詐欺事件【前編】

「江戸時代は平和」だって?そんなの大間違い!現代に通じる悪党らの卑劣な詐欺事件【前編】:2ページ目

チームを組んでシステム化した詐欺グループ

江戸時代後期、儒学者であり「経営コンサルタントの先駆け」とも評される海保青陵(かいほせいりょう)という人がいました。

その海保が、加賀藩藩士のために執筆した『東贐(あずまのはなむけ)』という江戸の食・言葉・生活環境・風俗・犯罪事情を詳しく書いた書物があります。

その中で紹介されているのが「あらかせぎ」と呼ばれる犯罪集団。

「数人の無法者が道でわざと通行人にぶつかって難癖を付け、懐のお金や櫛などを奪う」という犯罪が紹介されています。

そして、それらの強奪したものは次々仲間の手に渡り、もしぶつかった当人をお縄にしても証拠はなく追及を逃れられる……というシステム。

現代の集団スリや、「かけ子」「受け子」など分業になっている詐欺の手口と同じです。

「あらかせぎ」という言葉は「手段を選ばずに一気に大金を稼ぐこと」という意味で一般的ですが、「力ずくで乱暴に人の金品を奪い取る人間」という意味もあります。

巧妙に人を騙して金品を奪う、そんな卑劣な犯罪はITというツールがなくても、江戸時代から存在していました。

【後編】でも引き続き「まるで現代と同じじゃないか!」と驚くような江戸時代の「詐欺」をご紹介します。

【後編】はこちらから

 

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