実は「楽市・楽座」は織田信長の発案ではなかった!信長以前の「楽市令」とは?:2ページ目
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一般的に、楽市楽座は信長が最初に導入した政策と誤解されがちですが、実際には信長よりも早く、1549年には南近江の戦国大名である六角承禎が全国に先駆けて楽市令を発令していました。
また、1566年には今川氏真も富士大宮で同様の政策を実施しており、信長はこれらの先行例を参考にしながら自らの政策に取り入れたと考えられています。
ちなみに、“楽市”とは、寺社や公家に収める市場税 ・ 営業税の免除、及び商人 特権 の 廃止そのもののことをいい, “楽座”とは“座”そのものの廃止のことをいいます。
そして、「楽」とは、規制が緩和されて自由となった状態のことをいいます。
参考:
- 安野眞幸「富士大宮楽市令」(2002 『弘前大学教育学部紀要』87号)
- 池上裕子『織田信長』(2012 吉川弘文館)
- 宇佐見隆之 『日本中世の流通と商業』(1999 吉川弘文館)
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