江戸時代の「三大大火」とは?大火は根絶されたのか?今昔火災史を紐解く

「世界三大大火」のひとつ・明暦の大火

江戸時代には、歴史に残る「三大大火」と呼ばれるものが発生しています。

まずは、おそらく江戸時代の大火で最も有名な、明暦3年1月18日に発生した「明暦の大火」です。現在の文京区本郷にあたる本郷五丁目の寺から出火し、二日間燃え続けて江戸の町の大半を焼き尽くし、10万人以上の死者を出したと言われています。

この大火の別名は「振袖火事」。これは同じ振袖を着ていた三人の女性が立て続けに病死し、その振袖を本郷の寺で焼こうとしたところ風で舞い上がり、寺に燃え移ったのがそもそもの火災の原因だったからです。

それに加えて、小石川と麹町でも火災が発生し、この三つが重なったことで大火災へと発展したのでした。

この大火を受けて、江戸幕府は「定火消」という消防組織を設置し、延焼を防ぐための空き地である「火除地」「火除土手」を各地に造らせました。また道の幅を広くして町の各所に防火用水を設置するなどしています。

ちなみに明暦の大火は、「世界三大大火」のひとつとされていますが、残りの二つのうちひとつは、1666年に起きたイギリスで発生し1万3千人戸の住宅を焼き尽くした「ロンドン大火」です。

またもうひとつは、西暦64年にイタリア・ローマのスラム街で発生して、町の半分以上を焼いた「ローマ大火」です。

3ページ目 「目黒行人坂大火」と「丙寅の大火」

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