日本で初めてパスポートをもらったのは幕末の曲芸師。隅田川浪五郎さんて、どんな人?
感染症禍も落ち着いて、海外旅行に出かける方もまた、増えてきましたよね。ところで日本人で一番最初にパスポートを取得した人って、どんな人かご存じですか? そもそも海外へ行くのに、パスポートが必要になったのは、いつ頃からなのでしょうか。
なんと、この制度がスタートしたのは、幕末期から。意外と古くからあったようです。
1866年に商人や留学生が海外へ行くことを認める決まりごと「海外渡航差許布告」が発令されました。手続きに則って申請をし、許可を得れば誰でも海外へ行けるようになりました。
そこで、許可証として発行されたのが海外行御印章です。これがパスポートの走りです。この海外行御印章が初めて発行されたのは、隅田川浪五郎(すみだがわなみごろう)という人物でした。
隅田川は、1864年に来日し、西洋式曲芸を日本で初めて披露したアメリカ人のサーカス曲芸師リチャード・リズリー・カーライルの誘いにのり、自身の一家4名と、濱碇定吉一家7名と、松井菊治郎の一家5名らと伴に「帝国日本芸人一座」を結成。パリ万国博覧会出演を目指して渡米します。
その際、慶應2年10月17日(1866年11月23日)付で、江戸幕府の外国奉行から印章を取得しました。このときの海外行御印章が、日本の政府が発行した旅券第1号です。なお、この時の印章には、「神田相生町二住ミ年齢三七歳、身長尺」と記載されていたそうです。
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