「ピラミッド」に居城を構えた一族
ピラミッドと言えばエジプトのものが真っ先に思い浮かびますが、実は日本にも「ピラミッド」と呼ばれるものがあります。
もちろん正式な意味でのピラミッドではありませんが、山などの形が酷似していることから、そう呼ばれているんですね。
例えば、有名なのは秋田県鹿角市にある黒又山、広島県の葦嶽山、青森県の新郷村のものです。
このうち黒又山は「山」とはいえ人工的な建造物という説もあり、付近には環状列石などもあることから、大昔の祭儀的な施設だった可能性があります。あとの二つは、やや胡散臭い伝承に彩られています。
そして、日本史に関わる「ピラミッド」として挙げられるのが、長野県にある岩井堂山(自在山)です。この山は上田市の北隣、千曲川と坂城町の間にある標高793.0メートルの山で、美しい円錐形をしています。
この山がどのように日本史に関係するかというと、実は戦国時代に武田信玄と戦った武将・村上義清の一族でもあり家臣でもあった出浦氏の一族の居城でもあったのです。