平安時代にボウガンを開発!?新型兵器で人々を驚かせた平安京の発明王・島木史真のエピソード
人間は道具を使う数少ない生き物ですが、道具に関する才能には「今ある道具を使いこなす才能」そして「新たな道具を創り出す才能」があるようです。
後者の才能にはアイディアのひらめきと、それを実現するためのスキルが必要であり、古来多くの者たちが様々な挑戦を繰り広げて来ました。
今回はそんな一人、平安時代前期に活躍した島木史真(しまきの ふひとのまこと)を紹介。果たして彼は、何を生み出したのでしょうか。
射放たれた矢の威力は?
島木史真は生年不詳、出自も不明。あるとき外従五位下(げの じゅごいのげ)に叙せられました。
この「外」とは外位(げい/がいい)を示し、地方豪族や異民族(蝦夷、熊襲、隼人など)に与えられた位階です。よって真は地方の有力者であったことが分かります。
真は発明の才能に秀でており、あるとき新型の弩(いしゆみ。ボウガン)を開発。
その威力がどれほどのものか、時の執政大臣が真を朱雀門(すざくもん。平安京の南門)へ召し出しました。
「聞けばその方の造りし弩は四方どちらへも自在に矢を射出せる(回転自在、四方に激発す)とのこと。見せてみよ」
「ははあ」
真はさっそく弩に矢をつがえ、その弦をギリギリと巻き上げます。
「放て!」
号令一下、弦が解かれるや矢は空気を震わせ、空を切り裂きながら飛んで行きました。
「……?」
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