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昭和の闇「隠退蔵物資事件」…終戦直後の物資不足と貧困は軍人や政治家のせいだった?

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特別委員会は「あの」組織の前身に

しかし摘発はスムーズにはいきませんでした。軍人や政治家が関係した組織ぐるみの悪事であったため、摘発に積極的な捜査官は少なかったのです。

そのような状況の中、GHQの民政局のホイットニー局長やケーディス次長がこの問題に関心を示し、協力し始めました。彼らは法の下での平等を実現するという名目で、捜査官に奮起を促したのです。

また同じ頃、国民も積極的に声を上げ、新聞などのメディアも摘発に向けて精力的に動くようになりました。

しかし残念ながら彼らの努力はわずかに及ばず、物資の摘発も、横領に関係した人物を罰することも叶いませんでした。

しかしこの事件で得られるものがなかったかというとそうではありません。

先述の「隠退蔵物資等に関する特別委員会」は現在の東京地検特捜部の前身でもあります。戦後の多くの国民が苦しんだこの隠退蔵物資事件により、内部の悪事にメスを入れる、社会に必要不可欠な組織と仕組みが出来上がったのです。

過去の事件とはいえ、私たちが「終戦直後の日本」と言われてイメージする、人々が餓死寸前まで追い込まれていたような社会状況が、ごく一部の人間によって作り出された可能性があると考えると歯がゆくなりますね。

参考資料
本がひらく
産経ニュース
近畿大学

 

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