1日目・夜

午後8時頃、目的地である田代新湯から1.5kmほど離れた、平沢の森が野営地として決定。6畳ほどの雪壕に40名の隊員が箱詰め状態にされ、中は座ることさえできないほど狭かったと言います。夜食には少量の餅と缶詰が配給され、夜通し、交代で暖をとり続けました。

2日目・昼

出発予定時刻は午前5時でしたが、多くの兵が寒気を訴えており、凍傷者が出ることを恐れた将校らは協議することにします。

将校らが協議中の午後1時頃には、生煮えの飯が支給されました。また、炊飯後の釜で温められた酒も配られたようですが、異臭を帯びていて飲めるようなものではなかったようです。

このとき、気温はマイナス20℃以下にも達しており、眠ると凍傷になる恐れがあったため、軍歌の斉唱や足踏みが命じられていました。

午前2時頃に協議の結果が出て、行軍の目的は達成されたとして帰営することが決定します。そして午前2時半に野営地を出発した歩兵第5連隊ですが、このあとさらに過酷な試練の数々が待ち受けていたのです。

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