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せっかくの新築マイホームが…『吾妻鏡』が伝える北条時房(トキューサ)の悲しみエピソード【鎌倉殿の13人】

せっかくの新築マイホームが…『吾妻鏡』が伝える北条時房(トキューサ)の悲しみエピソード【鎌倉殿の13人】:2ページ目

気象庁データによると、木造家屋が倒壊し始める風速は毎秒40メートル以上と言われており、時速に直すと144キロ。プロ野球のピッチャーが投げるスピードを全身で受け止めるような感覚でしょうか。

(ただし当時の建築技術を考えると、もう少し風速が弱くても倒壊しそうですが)

最近では令和2年(2020年)10月に猛威を振るった台風14号がこのクラスになります(瞬間最大風速は60メートル毎秒)。

ところで『吾妻鏡』では時房の家だけ倒れたように書いていますが、恐らく周囲の民家なども甚大な被害を受けたはずです。

しかし、もしそうなら「多くの家が被害を受け、時房の家も倒壊した」的な書き方をするはず。まさか、本当に時房の家だけがピンポイント倒れたのでしょうか。

あるいは『吾妻鏡』の編纂者にとって「時房の新築マイホームが吹っ飛んだ」というインパクトがよほど強かったとも考えられます。

「あぁ……せっかく建てたばかりだったのに……」

時房の嘆くまいことか。ともあれ事の吉凶を占わせますが、この大惨事が吉なんてことはあるのでしょうか。

占いの結果はやっぱり大凶。すこぶる不快ということで、その後時房に何が起こったのか心配になってしまいますね(※『吾妻鏡』にはしばらく時房に関する記述なし)。

終わりに

以上、新築マイホームが暴風で倒壊し、その後しばらく災難続きだった(であろう)北条時房のエピソードを紹介しました。その後、時房が再建した家はさぞかし強風対策に力を入れたことでしょう。

もしNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でこのエピソードをやってくれたら、瀬戸康史さんがどんな顔で演じてくれるのか。想像するだけでも楽しみですね!

※参考文献:

  • 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡8 承久の乱』吉川弘文館、2010年4月

トップ画像: NHK「鎌倉殿の13人」公式ページより

 

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