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「鎌倉殿の13人」死角から現れる刺客は公暁か、あるいは…第43回放送「資格と死角」予習

「鎌倉殿の13人」死角から現れる刺客は公暁か、あるいは…第43回放送「資格と死角」予習:3ページ目

時房、蹴鞠を披露する

さて、政子に随行していたトキューサこと時房。こちらは京都に残ります。後鳥羽上皇の蹴鞠(しゅうきく)にお付き合いするためです。

晴。相州依召被參御所。洛中事被尋仰之處。相州被申云。先去月八日梅宮祭之時。御鞠有拝見志之由。内々申之間。臨幸件宮。右大將〔半蔀車。具隨身上臈〕被刷顯官之威儀。是皆下官見物之故也云々。同十四日初參于御鞠庭。着布衣〔顯文紗狩衣。白指貫〕。伴愚息二郎時村〔二藍布狩衣。白狩袴〕。公卿候簀子。上皇上御簾叡覽之。同十五日。十六日以後。連々參入。當道頗得其骨之由。叡感及數度。院中出仕不知案内之旨。示合之間。尾張中將淸親〔坊門内府甥〕毎事扶持。生涯爭忘其芳志哉云々。

※『吾妻鏡』建保6年(1218年)5月5日条
※鎌倉へ帰って来てから、京都での出来事を報告しています。

4月8日、梅宮大社のお祭りに際して内々のオファーがあり、4月14日に愚息の北条二郎時村(じろう ときむら)を連れて蹴鞠場へ参上しました。

その時の装束は顕文紗(けんもんしゃ)の狩衣(かりぎぬ)に下半身は白い指貫(さしぬき)。時村は二藍布(ふたあい)の狩衣に白い狩袴(かりばかま)。

顕文紗とは織物の一種で、その名の通り文様を顕わに浮き立たせるように織り、かつ裏地に対照的な色を配することでより引き立てるというもの。

指貫とは袴の裾に紐を通し、締められるようにしたもので、状況に応じて丈の調節が可能な袴です。

また二藍布とは藍に紅を重ね染めした紫系の色で、白い狩袴と合わせてよく映えたことでしょう。

指貫は五位以上の者にのみ許されており、時房(従五位下)は指貫を穿き、六位以下の時村(無位)は狩袴を穿いたのでした。

さて、いよいよ本番。後鳥羽上皇も御簾(みす)を上げてご覧になる中、時房はその腕前をいかんなく発揮したと言います。

「……相州(時房)はまことに蹴鞠の骨髄を得ておる(當道すこぶるその骨を得る)」

後鳥羽上皇もしきりに感心され、つつがなくお役目を果たした時房。坊門清親(ぼうもん きよちか。千世の従兄弟)が宮中の作法をレクチャーしてくれたお陰だと感謝していました。

なお、時房たちは5月4日に鎌倉へ帰り着いています。

4ページ目 頼仁親王、鎌倉殿の後継者候補に

 

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