「鎌倉殿の13人」恐れる義時、受け入れる義盛。埋まりかけた両者の溝は…第40回放送「罠と罠」振り返り:3ページ目
帰ってきた北条朝時、謹慎の理由は?
「(自分のために和田を滅ぼすと聞いて)父上は間違っている!」
またいつも?のように父・義時を真っ向から批判する北条泰時(演:坂口健太郎)。そこがたまらなく可愛いのでしょうが、今回は謹慎を命じられてしまいました。
ちなみに『吾妻鏡』を読んでもそのような記述はなく、和田合戦に臨んで二日酔いだった(ヤケ酒を呑んでいた)ことへの伏線として脚色したのでしょう。
一方、本当に謹慎を命じられていたのは北条朝時(演:西本たける)。こちらは前年(建暦2・1212年5月)、女性スキャンダルによって義時から勘当されています。
女性スキャンダルで勘当!?北条義時と比奈の子供「北条朝時」の生涯をたどる【鎌倉殿の13人】
前回、よもぎ(演:さとうほなみ)を捨てて朝時が手を出したのは、御所に仕える女房・佐渡守親康(さどのかみ ちかやす)の娘。恋文によい返事がなかったので、夜這いをかけて連れ出したのです。
駿河国富士郡(現:静岡県富士市一帯)に謹慎していたのを、そろそろ和田との決戦を前に建暦3年(1213年)4月29日に呼び戻されました。間に合いましたね。
次週のことになりますが、いざ和田合戦において朝時は和田一族きっての豪傑・朝比奈義秀(演:栄信)と一騎討を演じ、負傷しながらも命からがら生き延びます。
この武功をもって朝時は赦されて御家人に復帰。果たして大河ドラマではどのような熱演を魅せてくれるのか、楽しみですね。
ついに年貢の納め時?起請文を書かされた三浦義村
さて、三浦一族の棟梁でありながら長老の和田義盛とは微妙な関係の三浦義村(演:山本耕史)。
内通している北条からは政子(演:小池栄子)に疑われ、和田一族からは巴御前に疑われ、その蝙蝠ぶりをいかんなく発揮していました。
基本的には義時に寝返るつもりでいながら、形勢次第によっては和田と共に義時を倒せる可能性も忘れない義村。弟・三浦胤義(演:岸田タツヤ)からは「そういう兄上は好きではない」と言われますが、そんなの気にする平六ではありません。
今まで多くの御家人が滅ぼされ、三浦は今こうして生き延びているのはそういうこと。しかし今回は巴御前によって、起請文を書かされてしまいました。
用紙は例の牛王宝印、誓いを破ると全身の穴から血を噴き出して地獄に堕ちるというアレです。起請文を書いてから神前で燃やし、その灰を水に溶いて飲みます。
「すまん、小四郎」
義時とは「固い絆で結ばれている」と言っていた義村の裏切り。石橋山の合戦以来、これで何度目でしょうか。
さすがにいつかの和田義盛みたいに「書いちゃいなさい!そんなの後で破けばいいんだから」とはいかないようです。
まぁ『吾妻鏡』によると義村兄弟が起請文を書いたのは事実ですが、その誓いを破るのもまた事実。ちなみに長沼宗政(演:清水伸)や八田知家(演:市原隼人)が和田勢に味方した記録はありません。
果たして「友を食らう(和田を裏切る)」三浦の名場面、どのようなアレンジが彩られるのか、来週を楽しみにしています。