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江戸時代の制度「参勤交代」の宿事情と排泄事情。大人数で長旅となると…

江戸時代の制度「参勤交代」の宿事情と排泄事情。大人数で長旅となると…

大人数が止まる宿の状況は?

藩の規模によって人数も変わりますが、例えば加賀藩は約4000人ほどの大名行列だったといいます。

いきなり大所帯がやってきては宿も大変です。そのため、宿場には「先触(さきぶれ)」という「○月○日に来る」といった通達書を出していました。

宿場には本陣・脇本陣・問屋場があったので、本陣・脇本陣には何人泊まり、家臣たちはどの旅籠屋に何人泊まるかという割り振りを行います。本陣は、大名などが宿泊するため、彼らが来る前に修繕する必要がないか確認もされていました。

ちなみに、食事も原則として宿が提供していました。しかし、大名に限っては、毒殺が起きる可能性もあるため専属の料理人も付き添い、彼らが食事を用意しました。

なお、大名行列では大名のための調理器具や食器も持っていく必要がありました。

長旅で、排泄物はどうしていたのか?

参勤交代の衛生事情も驚きです。本陣には風呂がありましたが、大名は専用の風呂桶を使って入浴。これは、本陣の風呂は五右衛門風呂(ごえもんぶろ)であり、上手く入らないとやけどの危険性があったためです。

また、本陣には大名専用のトイレも持ち込みました。本陣のトイレは使用せず、この専用の携帯用トイレを道中でも使いました。

さらに、驚くべきことに、大名の排泄物は途中で捨てるのではなく、江戸か国に着くまで持ち運んだと言います。大名のような高貴な人の排泄物を人々にさらさないため、という理由だったと考えられているそうです。

いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。

 

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