見習い遊女は”廻し部屋”、上級遊女は個室……知られざる遊郭の「お部屋事情」:2ページ目
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とはいえ、上記の上級遊女たちのように個室が与えられたわけではありません。接客の場は「廻し部屋(まわしべや)」という共用の大部屋(割床)でした。布団がたくさん敷き詰められ、そのあいだは屏風一枚で仕切られただけ、という環境でした。物音や声は筒抜けのため、さまざまな悶着が起きていたようです。
この割床は、岡場所や各地の宿場の女郎屋などでは一般的で、吉原でもめずらしいことではなかったようです。
また、新造は起居の場も花魁のように個室を与えられたわけではなく、禿と一緒に大部屋に雑魚寝していたといいます。
遊女が来れば「もてた」、来なければ「ふられた」
同時に複数の客をつけることを「廻し」といいます。お客さんは自分の番が来るのを待たなければいけないのですが、きちんと遊女が自分のところに来たら、俗に「もてた」といったそうです。
逆に、遊女が最終的に来なかった場合は「ふられた」といったそうです。割床のときに自分だけ遊女が来なかったら、フラストレーションが溜まりそうですね。
いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
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