いきなりですが、小侍所(こさむらいどころ)と聞いて何の事だかピンと来る方は、かなりの歴史ファンかと拝察します。
「侍所(さむらいどころ)なら、聞いたことあるけど……それとは違うの?」
はい。侍所が軍事・警察を担って政所(まんどころ。行政・財務)・問注所(もんちゅうじょ。司法)と三本柱で鎌倉幕府を運営したことは、歴史の授業で教わりましたね。
して小侍所とは何かと言いますと、鎌倉殿の身辺を警護するSP的な部署。かつて建保7年(1219年)1月に第3代将軍・源実朝(みなもとの さねとも)を暗殺されてしまった反省から、承久元年(1219年。建保より改元)7月に新設されました。
その長官は侍所と同じく別当(べっとう)と呼び、代々北条一族から選ばれました。それだけ重要な役割と認識されていたのですが、やがて大きな戦いがなくなって世の中が比較的平和になってくると、その役割も次第に多様化。
さて、彼らに課せられた新たな任務とは、果たして何だったのでしょうか。