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上杉謙信の「敵に塩を送る」は商戦でも美談でもなかった?そこには今川氏真の策略が!

上杉謙信の「敵に塩を送る」は商戦でも美談でもなかった?そこには今川氏真の策略が!:2ページ目

「味方に欲しい大将よ」

これに対して救いの手を差しのべたのが、当時敵対していた上杉謙信でした。氏真は謙信にも協力を求めましたが、謙信は「正々堂々の戦ではなく卑怯な手段で領民をも苦しめるのは許しがたい」として、糸魚川から武田領へと塩を送り込んだと言われています。

この謙信の義侠心のある行為が、「敵に塩を送る」という美談と格言を生むことになりました。

しかし実際には、謙信は積極的に塩を贈呈・譲渡したわけではありません。

当時の史料によると、今川と北条が塩の輸出を禁止したのに対し、謙信は「私は塩留めには参加しない。だから、いくらでも越後から輸入するといい。決して高値にしないよう商人にも厳命する」と手紙を送ったそうです。

信玄とその重臣たちは感動し「味方に欲しい大将よ」と感嘆しました。

つまり、謙信は無償で塩を大量に送ったわけではないのです。ただ高値で売りつけることもせず定価を厳守しただけです。では、なぜ謙信はそのような対応をしたのでしょうか?

実は、今川氏真が「塩留め」を行った本当の理由は、武田家領内の塩の値段を高騰させ、領民の怒りを上杉に向けさせて武田と上杉の和議を破談にすることだったのです。

3ページ目 策士・今川氏真

 

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