妻を一晩差し出す始末…やりすぎ?源頼朝をも感服させるほどの義理堅き名将・葛西清重:2ページ目
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妻を…!そこまでやるか、葛西清重
もうひとつ、この葛西清重という人物の、愚直なまでに義理堅い性格を示すエピソードがあります。
前述のトラブルから時が経ち、頼朝が常陸国の佐竹氏を攻めた帰りに、清重の館に泊まることになりました。
鎌倉幕府の正史である『吾妻鏡』は、この日の出来事について「清重は妻女に頼朝の御膳を備えさせた」と記述しています。
「御膳を備える」とは頼朝の食事の用意だけでなく、夜伽のことを指します。
つまり清重は、自分の妻を頼朝に一晩差し出したのです。しかも妻であることを隠して接待させたといいます。
頼朝はこれを大変気に入り、清重を重用するようになりました。清重を、頼朝を警護する側近に任命したほか、清重の母親が病気を患った時には使いを出して見舞ったともいわれています。
清重もまた、それに応えるように平氏討伐などの戦に参加し精力的に働きました。
奥州藤原氏討伐の際には、陣を抜け出して山を登り、抜け駆けの先陣を果たして奮戦しています。そしてその功績が讃えられ、奥州総奉行として東北の御家人統率を任されるようになるのです。
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