トンデモか否か!?意外と根強く残っている「武将・上杉謙信は女性」説を整理してみる【前編】:2ページ目
①スペインで発見された書簡
まず八切氏は、スペイン内戦の際に使用されたトレドの修道院から、15~16世紀の日本について記された文書を発見しています。
それは、ゴンザレスという人物が、戦国時代当時に日本からフェリペ2世に送った書簡で、そこには「上杉景勝は叔母が開発した佐渡の金を持っている」と記されていたそうです。
上杉景勝は謙信の姉である仙桃院の子です。つまり景勝は謙信の甥っ子にあたるわけですが、謙信には姉以外に女きょうだいはいませんでした。よって景勝の叔母というのが謙信ではないか、というのです。
これに対する反論ですが、まずこのスペインで発見されたという文書は、その実在が確認されていません。また、上杉が佐渡を所有したのは謙信が亡くなった後なので内容的にも辻褄が合いません。