不倫許すまじ!武士道バイブル『葉隠』が伝える夜這い男と妻への復讐エピソード
もしパートナーが不倫をしていたら、皆さんならどうしますか?
証拠をおさえて訴えるか、現場に殴り込んで感情のままに責め立てるか……少なくとも、黙って見逃したり、泣き寝入りしたりなんて人はごく少数でしょう。
この怨み、いかに晴らしてくれようか……信頼していたパートナーに裏切られた怒りと悲しみは昔の武士たちも同じで、その復讐方法は様々なものでした。
今回は江戸時代、武士道のバイブルとして知られた『葉隠(はがくれ。葉隠聞書)』より、とある武士のエピソードを紹介。
さぁて、どうしてくれましょうかねぇ……?
夜這い男を斬り捨てた武士は……
今は昔、とある武士が夜遅くに帰宅すると、我が家へ忍び込む者の姿を発見しました。
(む、何奴!)
すぐにも斬り捨ててやりたいところですが、まずは状況を窺うべく息を殺していると、何と妻がそやつを手引きしているではありませんか。
(……よもや)
家の中へ入っていく二人。しっかりと心張棒を掛って戸締りは万全、これで邪魔者(≒夫)も入って来られず一安心……とばかり事に励み始めました。
(まったく、筒抜けではないか)
ここで戸板を蹴破って不倫現場へ突入するのはたやすいものの、ここはグッと我慢です。
(バカどもが……せいぜい励むがよいわ)
粗末な壁から洩れ聞こえる嬌声に昂ぶる怒りを堪えつつ、武士は間男を待ち続けました。
(……来たな)
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