京都の最強最悪縁切り寺、菊野大明神が危険すぎる:2ページ目
禍々しき土地が呼んだ不運と鬼神
菊野大明神は、浄土宗の寺である法雲寺境内の一角に祀られています。
菊野大明神の御神体は、 霊石です。古来、この土地には鬼が出るとして人々から恐れられてきました。
それらの災いを鎮めるために、浄土宗の僧侶である 源蓮社清善上人が寺を建立したことが、法雲寺の始まりであり、その際に菊野大明神も祀られたと言われています。
御霊石にまつわる2つの伝説
1つは、 鬼神として知られ、丑の刻参りの祖として知られる、宇治の橋姫にまつわるものです。
宇治の橋姫は大変嫉妬深い女性でした。そんな橋姫に愛想をつかした夫は、橋姫を捨てて別の女性の元に走ります。怒った橋姫は、2人を呪い殺したいと貴船神社で丑の刻参りを始めました。その道すがら、座って休憩した石に橋姫の念が宿り、霊石となったというものです。
この後橋姫は貴船大明神の御宣託により夫と女を八つ裂きにし、生きながらにして鬼となり、鬼神として橋姫神社に祀られています。
菊野大明神の霊石には、生身の人間を八つ裂きにする橋姫の念が宿っている。そのために、強力で即効性のある縁切りを実現できる、という説です。
もう1つは、絶世の美女として知られた小野小町に恋焦がれた男性の悲恋の物語。小野小町に求愛した深草少将は、100日間毎日小野小町のもとに通って、思いが真実であることを証明するよう求められます。
雨の日も風の日も寒さに凍える日も通い続けた 深草少将ですが、凍えるほど寒さの厳しかった99日目に、休憩にと腰かけた石の上で凍死しました。
深草少将の無念が石に宿り、悪縁を断ち切るパワーの源になっているとも言われます。