まさに明治時代の知恵袋。山岡鉄舟らの考えた地域コミュニティツール「教導石」を、庶民はどう使ったのか?
皆さんは、分からないことがあった時、誰に訊くことが多いですか?
「あの人に訊けば、大抵のことは教えてくれるよ」
そんな便利な人が身近にいればいいですが、なかなか世の中そう上手くはいかないものです。
昔の人も同じような悩みがあったようで、智恵を絞って教導石(きょうどうせき)というものを考案した人がいました。教え導く石とは、一体どういうものなのでしょうか。
地域の情報交換ツールとして活用
静岡県静岡市葵区に残る教導石は、その名の通り石でできており、石柱の高さは全体で202cmという大きなもの。
向かって正面に「教導石」と彫られ、右側面に「尋ル方(たずぬるほう)」、左側面に「教ル方(おしうるほう)」と彫られています。
教導石の文字(揮毫)は達筆で知られた旧幕臣・山岡鉄舟(やまおか てっしゅう)によるもので、裏面には石柱の建立に賛同した有志80名が名前を連ねています。
何か分からないことがある者は、その質問を紙に書いて「尋ル方」へ貼りつけておくと、誰か知っている者がその答えを紙に書いて「教ル方」へ貼りつけてくれる、という使い方をするそうです。
答えを教えてもらって疑問が解消できたら、質問と回答の紙を剥がして、空いたスペースをまた別の者が質問に利用するのでした。
2ページ目 教導石は現代の地域コミュニティ情報発信・交換ツール
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