小人がのぞき?男色オンリー!?江戸時代の艶本・春画の世界は斬新なアイデアに満ち溢れている:3ページ目
見方によっては「エロ」い春画『逢夜雁之声』
『逢夜雁之声』は、初代・歌川豊国 が描いた作品です。
パッと見た感じでは、1人の女性がくつろぎながら本を読んでいるだけで、今まで紹介した春画と違い「エロ」の部分がないように思えるでしょう。
しかし、よく見てみると、女性が手に持っている本には、絡まる男女が描かれています。
この本は、現代の「エロ本」のようなもので、当時の春画を集めた「艶本」と呼ばれるものです。
この作品には他にもエロポイントがあって、女性がひじを掛けている机の下に、「張型」とよばれる男性器を模した江戸時代のアダルトグッズがいくつも描かれています。
この春画から、江戸時代にはすでに、さまざまな種類のアダルトグッズが売り出されてということがわかります。
もちろん、女性用だけでなく男性用のアダルトグッズも豊富に売り出されていたのだとか。
見れば見るほど、初代・歌川豊国 の「エロ」に対するこだわりを見つけることができて面白い作品となっています。
当時の「エロ」へのこだわり
江戸時代には、タコや人魚などの人外モノ、男女の性器を妖怪に例えた作品も数多くあります。
100年も200年も昔の江戸時代に、知恵を絞って描かれた作品はどれを見ても、画家たちの「エロ」へのこだわりが濃く反映されています。
さらに深掘りすれば、当時の歴史的背景や環境まで楽しむことができて面白いですよ。