江戸前期に起きた幕府転覆計画。未遂に終わった2つのテロ事件【後編】
徳川家康によって開府された江戸幕府は、戦国の世を終わらせ太平の世をもたらした。しかし、徳川将軍家によって押し進められた武断政治(武力を後ろ盾に行う政)によって、全国では藩の改易や減封が相次ぎ浪人が増加した。
幕府によって武士の身分を追われた者たちの中には、打倒徳川を掲げ具体的な行動に出た者たちもあった。
今回は、【前編】に続き徳川幕府転覆を目的とし実際に計画された2つの事件をご紹介する。
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江戸前期に起きた幕府転覆計画。未遂に終わった2つのテロ事件【前編】
徳川家康によって開府された江戸幕府は太平の世をもたらした。しかし、徳川将軍家によって押し進められた武断政治(武力を後ろ盾に行う政治)によって、全国では藩の改易や減封が相次ぎ浪人が増加した。幕府…
承応の変
1652年。徳川将軍家の菩提寺である江戸の増上寺において、徳川2代将軍・徳川秀忠の継室・江(崇源院)の27回忌が営まれることになった。
元越前藩士であり浪人となった別木庄左衛門(べっきしょうざえもん)は、幕府に対する不信から、27回忌に乗じてテロを決行する事を思い立つ。
計画
別木は土岐与左衛門などの浪人を募り、増上寺の混乱に乗じて江戸の町に放火、騒乱を起こして幕府重臣を討ち取る案を練る。
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