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江戸前期に起きた幕府転覆計画。未遂に終わった2つのテロ事件【後編】

江戸前期に起きた幕府転覆計画。未遂に終わった2つのテロ事件【後編】

結末

仲間の一人(土岐の弟の養父・長島刑部左衛門とされる)が、時の老中・松平信綱に密告したことにより計画が露見。別木らテロ計画に参加した浪人は捕らえられ磔刑に処された。

文治政治へ

わずか1年足らずの間に幕府転覆を計画したテロ未遂が2件も発生したことから、幕府は政策を転換。大政参与の保科正之(徳川3代将軍・徳川家光の異母弟)を中心に、各藩に浪人の採用を推奨、養子縁組の緩和など雇用の安定化に努めた。

2つのテロ事件をきっかけとして、幕府の方針はそれまでの武断政治から文治政治(法や学問によって世の中を治める政治)へと舵を切る事となり、1663年には戦国時代の慣習を土台に制定されていた武家諸法度も改正されるに至った。

慶安の変の首謀者である由井正雪は、浪人の救済を掲げて発起したといわれており、彼の死後、幕府は皮肉にも由井が理想とした政治体制を実現させる事となった。

 

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