人生100年時代の新たな伝統?21世紀に生まれた65歳の長寿祝い「緑寿(ろくじゅ)」を紹介!
人間五十年と謳われたのは遠い昔……人生100年時代とも呼ばれる昨今、勤めの定年も従来の60歳から65歳に延びた企業も多く、生涯現役社会に近づきつつあるようです。
さて、60歳は暦(こよみ。干支)が一周して還ってくる「還暦(かんれき)」のお祝いをすることが多いですが、実は65歳の節目もお祝いがあるようです。
※参考:暦=干支について
今年はなにどし?イノシシ(亥)は間違いではないけど実はそれでは不十分
還暦の次と言えば喜寿(きじゅ。77歳)だと思っていましたが、いったい何と言うのでしょうか。
第二の人生が若々しく、活力あふれるよう祝う緑寿
65歳のお祝いは「緑寿(ろくじゅ)」と言い、平成14年(2002年)に日本百貨店協会の提案によって生まれました。
緑を「ろく」と読むことで60代の「ろく」にかけているのですが、それがなぜ65歳なのかと言うと、満65歳は数え年で66歳になり、昔から「数字を重ねるゾロ目は縁起がよい(※)」とされたのが理由のようです。
(※)77歳…喜寿、88歳…米寿(べいじゅ)、99歳…白寿(はくじゅ)など。
※参考:数え年について
数え年とは?生まれて二日で2歳になる人も?満年齢との違いと換算方法を紹介
それまでの勤めを終え、新たに始まる第二の人生が若々しく活力にあふれるものであるように願って、芽吹く緑をイメージした緑寿。
社会的には前期高齢者(65~74歳)の仲間入りをした65歳ですが、人生100年の現代では、まだ30年以上も人生が残っていますから、是非とも元気で有意義に過ごして欲しいものです。
終わりに
こういう話をすると、中には「何だ、どこぞの団体が勝手に作ったもので、伝統にのっとっている訳ではないのか」と思われる方がいるかも知れません。
しかし、伝統とはただ昔からあるものをそのまま受け継ぐだけのものではなく、人々の暮らしに即して移り変わっていくのが自然です。
人間の寿命が延びて、ライフスタイルが変わってくれば、人生の節目を祝うタイミングもまた、おのずと変わってくるもの。
65歳でお勤めを定年される方が増えてきた昨今、新たな人生の節目をお祝いしたい気持ちの表れとして、緑寿の文化が暮らしに根づき、息づいていくといいですね。
もし皆さんの身近に65歳を迎える方がいらっしゃいましたら、緑寿のお祝いをしてあげて欲しいと思います。
※参考:
21世紀に新たに誕生した長寿のお祝い「緑寿」って何歳?