鬼婆も元は普通の女性…「安達ヶ原の鬼婆伝説」の鬼婆が鬼になった理由が切なすぎる
Japaaan読者の皆さんこんにちは、ライターのほおの紅です。
今日は節分!鬼!しかも鬼滅ブームが止まらねえ!という事で、今最高にホット(?)な「鬼」の伝説の中から、涙なしには語れない、エモエモのエモな伝説をご紹介します。
安達ヶ原の鬼婆伝説
その名も「安達ヶ原の鬼婆伝説」です。オニババアて!反抗期にめっちゃ親に言ってたやつ!
平安時代から伝わる伝説の内容は、奥州安達ヶ原(現在の福島県二本松市)に旅人を宿に泊めては殺し、血肉を貪り食う鬼婆がおりました。彼女は祐慶という旅僧によって成仏させられました・・・・・・
って何がエモいんじゃ!と思ったアナタ、この鬼婆が鬼婆になるまでの話がエモいんです。そう、恐ろしい鬼婆も元は普通の女性だったのです。
普通の女性が鬼婆になった悲劇
平安の昔、いわてという乳母が京都の屋敷にいました。しかしお世話する姫様は病気で成長しても言葉が話せませんでした。占い師によると「胎児の生胆で病気が治る」とのこと。
そこでいわては生肝を得るために、自分の幼い娘・恋衣(こいごろも)を置いて旅に出ました。
やがていわては福島県の安達ヶ原に住みますが、道行く妊婦を殺せないまま十数年。
ある日、産気付いた若い妊婦とその夫がいわてに助けを求めました。決心したいわては、夫が見ていない隙に包丁で娘の腹を裂き、ついに胎児の生肝を手に入れました。その時、娘が最期の息でこう呟いたのです。
「いわてという私の母を探していました。もし会ったら、娘の恋衣は死んだとお伝えください」。
なんといわてが殺した妊婦は、成長した実の娘でした。
いわては発狂し、この日から旅人を殺しては血と肝をすすり、人肉を喰らう鬼婆と成り果てたのです。
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