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戦国時代のハニートラップ!日本初の火縄銃づくりに貞操を捧げた17歳の乙女「若狭」【前編】

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いざ火縄銃づくり……立ちはだかる課題

「……さて、どうしたものか……」

2丁購入した内の1丁を自宅に持ち帰った金兵衛は、各部を観察、あるいはカチャカチャと動かしながら考えました。

「とりあえず分解(バラシ)はするな

モノの構造を知るためには、とりあえず分解するのが手っ取り早いのですが、たった2丁しかない貴重な火縄銃ですから、万が一戻せなくなったら大変です。

「外から見た限りだけで内部構造まで推測せにゃならんとは……まったく、無茶ぶりにも程があるなぁ、まったく!」

とか何とか言いつつも、越えるべきハードルが高いほど、にやけ笑いが止まらないのが日本人の変t……もとい職人魂、そしてものづくりの醍醐味というもの。

あーだこーだといじくり回しながら、何とオリジナルを一切分解しないまま、火縄銃のレプリカを作り上げてしまったのでした。

「よし、サイズから動きから何から、まったく同じに仕上げられたぞ!」

試行錯誤の挙句、金兵衛は恐るべき執念の結晶を持って時尭の元へ報告に行きました。

「おぉ……本当にやってのけるとは流石ものづくりの変t……もとい、職人は違うのぅ」

「過分のお褒めにあずかり、恐悦至極に存じまする!」

ちょうど小四郎の方も火薬の調合に成功し、一説では当時世界最強クラスの威力を誇ったとも言われています。こっちもこっちで中々の変t……職人だったようです。

「では、さっそく試し撃ちと参りましょうぞ」

逸る気持ちを抑えながら、金兵衛は小四郎謹製の火薬と弾を込め、手順通りに準備を整えました。

「いざ!」

引き金が引かれて火縄が落ちると、凄まじい轟音と煙が立ち込めます。

「……首尾は!?」

一同が見守る中、煙が晴れると的には穴一つあいておらず、金兵衛の作った火縄銃は壊れてしまっていました。

「あれぇ……?」

尾栓(びせん。銃身の底をふさぐ部分)の強度が低く、小四郎の火薬に耐えられなかったのです。

その後、何回作りなおしても尾栓の強度だけは改善できず、金兵衛の鉄砲づくりは難航を窮めていました。

「うぅむ、南蛮の連中は、いったいあそこをどうやって塞いでおるのじゃ……」

火縄銃の分解はどうしても認めてもらえず、さりとてもう1丁買い足すだけの余裕もない……となると、やはり自力で謎を解くよりないのですが、果たして金兵衛の鉄砲づくりは上手くいくのでしょうか……?

【後編へ続く】

※参考文献:
佐々木稔『火縄銃の伝来と技術』吉川弘文館、2003年3月
徳永和喜『種子島の史跡-歴史寸描』和田書店、1983年9月

 

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