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戦国時代、北の海で暴れ回ったアイヌ海賊と、悩まされる戦国大名たち

戦国時代、北の海で暴れ回ったアイヌ海賊と、悩まされる戦国大名たち

「神のように素晴らしい友よ……」要求が通ったアイヌたちの大絶賛

さて、この法度が取り決められると、両首長は季広に対して「カムイトクイ(Kamuy-tokuy:神のように素晴らしい友人)」と大絶賛します。

もしかしたら、彼らもダメ元で提示した条件だったのに、よほどの満額回答だったのかも知れません。何だかジャイアンがのび太やスネ夫に対して「おぉ、心の友よ!」と感激するような、そんな調子の良さを感じてしまうのは、きっと筆者だけではないでしょう。

それでもまぁ、平和が実現できるなら安いもの……かも知れませんが、実際にはその後も「神のように素晴らしい友人」との争いが絶えなかったことは、歴史に伝えられる通りです。

アイヌたちの欲望が増大したのか、それとも和人たちが屈辱に耐えかねたのか……いずれにしても、互いを尊重し合える社会の実現に至るまで、まだまだ戦いは終わらないのでした。

※参考文献:
長谷川成一 編『北方社会史の視座 歴史・文化・生活 第1巻』清文堂出版、2007年12月
木村裕俊 訳『新羅之記録 現代語訳』無明舎出版、2013年3月
榎本進『アイヌ民族の歴史』草風館、2007年3月

 

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