現代なら炎上必至!日本各地のお国柄をまとめた「六十六州人国記」が毒舌すぎる【中四国&九州編】:2ページ目
岡山県(美作国、備前国、備中国)
【美作国】
百人中いれば九十人は万事において卑劣で欲深く、人から借りたものを返さずゴネ得したことをドヤ顔で自慢する連中である。
どいつもこいつも頑固で人の意見を聞き容れないが、武士が十人いれば、そのうち三、四人はマシな人材がいる辺り、石見国よりはマシである。【備前国】
何でも利益優先なので、言ってることとやってることが違うなんてザラ(十のうち五、六)である。
虚栄心が強く、使いこなせもしない武器や理解していない兵書など並べ立て、さも達人のような顔をしているが、しょせん武士道など出世の道具くらいにしか思っていない。まぁ、それでも何もしないよりははるかにマシではあるが。
もし優れた指導者が現れ、50年ほど教育し直せば、少しは更生できるかも知れない。【備中国】
武士はもちろん百姓にいたるまで義理堅く、意志の強い者が多い。しかし怖い者知らずでついカッとなって兄弟同士で殺し合うなど、道を外れることも多い。
備前との国境から半分はロクなのがいない。
作者の中では「(石見国<)美作国≦備前国<備中国」という図式が成り立っているようです。
借りたモノを返さない美作、道具立てばかりの備前、そしてカッとなると兄弟でも殺し合う備中……本当にこういう事例に遭遇したのなら、そのエピソードを紹介した方がはるかに面白い記事になりそうです。
広島県(備後国、安芸国)
【備後国】
この国の人々は生まれつき誠実で約束を破るようなことは少ないが、愚かなために無邪気に非礼を働くこともある。だいたい備中と同じような血の気の多さである。【安芸国】
ひたすらマイペースで他人の善悪に興味がなく、嘲笑されても気にしない。武士は特にその傾向が強く、頼りないようだけどこれも純粋さゆえであり、好感が持てる。
特に佐伯、沼田、加茂郡の人々は心身健やかで二心など抱かない。
基本的に好意を持っているようですが、愚かで無邪気とかひたすらマイペースと言った、空気の読めなさが指摘されています。
全体的に、西へ行くほど心穏やかな傾向があるようです。
山口県(周防国、長門国)
【周防国】
周防国の人々はおおむね律儀だけど、吉敷、佐波、都野三郡の者は節操がなく、昨日まで肩を並べ親しくしていた相手でも、出世すればすかさず取り入る調子の良さである。
大島、玖珂、熊毛三郡の者は多少マシだが、結局はポリシーがなく、悪事も善行も少ない。要するにだらけている。【長門国】
この国の人々はこれと言った特徴もないが、じっくり考えてから答えるためか会話のテンポが悪い。物事に対しては熱しやすく冷めやすく、利口だが根性がないため、武士としての資質に欠ける。
節操がなくだらけた印象の周防国と、沈思黙考ゆえ会話の歯切れが悪く、根性のない長門国。
本州の最西端まで書いて来て、だんだん作者の筆もダレてきたように感じてるのは筆者だけでしょうか。