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口は禍の元!日本神話の英雄ヤマトタケルが悲劇を招いた失言ワースト3

口は禍の元!日本神話の英雄ヤマトタケルが悲劇を招いた失言ワースト3

失言その1:実の兄を「ねぎし」ちゃったヤマトタケル

ある日のこと。幼いオウスは父・景行天皇と毎日朝夕の食卓を囲んでいましたが、双子の兄・オオウスノミコ(大碓王)は出て来ませんでした。それと言うのも、オオウスは父からだまし取った美人姉妹(※父には別の女性を献上)に夢中で、一日じゅういちゃついていたためです。

美人姉妹については見逃したものの、あまりにふしだらな生活を見かねた景行天皇は、気心が知れている双子のオウスに

ねぎし教えさとせ(ねんごろに=よく言って聞かせなさい=ふしだらな生活を改めるように)」

と命じました。オウスは二つ返事で承るとさっそくオオウスの部屋に行き、ほどなく帰って来ました。

……しかし、5日経ってもオオウスは食卓にやって来ないので、訝しがった景行天皇はオウスに「ちゃんとオオウスをねぎし教えさとしたのか?」と確認します。

はい、父上の仰る通り、私は兄上を『ねぎし』て差し上げましたよ?

具体的に何をしたかと言えば、オウスはオオウスを『ねじり殺し』、手足を引きちぎって薦(こも)にくるみ、まとめて厠(かわや)に投げ捨てた……とのこと。

「ねぎし」という言葉には「ねんごろに、親しく、じっくり」などの意味に加え、「ねじきる、すりつぶす」などの意味もあり、オウスはそれを誤解した……そうですが、さすがに解りそうなものです。

現代なら「可愛がる」を「あいさつ代わりに脅してor痛めつけておく」みたいなものでしょうか。それにしても、素手で人間の手足を引きちぎるというのは、凄まじい怪力ですね。

実の兄を惨殺しておきながら、眉一つ動かさずに報告するオウス……恐怖を感じた景行天皇が、彼を疎んじたのも仕方ないかも知れません。

3ページ目 失言その2:「こんな海、ひとっとびだぜ」豪語して海神を怒らせる

 

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