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美しすぎた故の不幸…戦国時代、禁じられた悲恋に命を散らした少女・初音姫

美しすぎた故の不幸…戦国時代、禁じられた悲恋に命を散らした少女・初音姫:3ページ目

エピローグ

以来、この里には美女が生まれなくなったそうで、初音姫の亡骸は藤九郎の刀から身を守ったお地蔵様の近くに埋葬されたと言われています。

永らくこの話はフィクション(伝承)とされて来ましたが、初音姫の塚を調査したところ、瑪瑙(メノウ)の勾玉など副葬品が出土したため、彼女の実在性が確認されたそうです。

ちなみに、さっきから何度も名前が出てくるものの、一度も姿を見せない玄蕃允ですが、彼が初音姫について特段の想いを寄せていたという記述はなく、志摩地頭衆の盟主である橘宗忠(たちばなの むねただ)の妹と結婚。その地位を固めています。

その後も九鬼一族との抗争を繰り広げますが、最終的には織田信長(おだ のぶなが)の後ろ盾を得た九鬼一族の軍門に降ったのでした。

もし、玄蕃允が初音姫と結ばれていたら志摩国の勢力図は大きく変わり、二人の未来もまた違ったものになったことでしょう。

※参考文献:
志津三郎『九鬼嘉隆 信長・秀吉に仕えた水軍大将』PHP文庫、1995年7月

 

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