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知らずに身売り契約書にサイン…アメリカで奴隷にもなった総理大臣・高橋是清の壮絶人生【下】

知らずに身売り契約書にサイン…アメリカで奴隷にもなった総理大臣・高橋是清の壮絶人生【下】:2ページ目

そのまま官僚への道を歩むのかと思いきや、彼は今度全てをすてて単身ペルーに渡ります。しかしあるとき森有礼の友人で、前田正名という人物がペルーの銀山開発の話を持ち込んできたのです。

牧野伸顕などが50万円を出資して会社を設立。その現地責任者になってくれとの話です。さすがの是清も最初は断り続けていましたが、前田は殖産事業に熱心な人。ペルーで銀鉱山に成功すれば国家のためになると考え、すべてを捨てて単身ペルーへと渡ります。

ところが、そう簡単にうまくいかないのが是清の人生。ペルーの苧鉱山で開鉱式をやろうとしたその矢先、鉱山調査の技師が是清に告げたのは、「鉱山はすでに掘り起こされていて廃鉱です」

帰国後、邸宅を売り債務を清算し家賃6円の借家住まいとなってしまい、更には月給300円の特許局長も辞職せざるを得なくなってしまいました。

そんな風な、どん底から這い上がるような経験をしたからこそ、是清は日本を不況から復活させることができたのかもしれません。

「一足す一が二、二足す二が四だと思いこんでいる秀才には、生きた財政は分からないものだよ」

積極財政による景気回復策を支持していた是清の名言です。

参考

 

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