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悲劇の英雄「楠木正成」がなぜ悪党なのか?「悪党」という言葉の意味の変遷

悲劇の英雄「楠木正成」がなぜ悪党なのか?「悪党」という言葉の意味の変遷

当時の「悪党」は現代でいう悪党とはかなり意味が異なり、やくざ者やゴロツキのことではありません。「悪党」とはもともと周縁領主に対抗する地頭や非御家人の新興の武士たちのことを指す言葉でした。彼らは年貢の納入を拒んだり荘園内の秩序に従わなかったりしました。

13世紀末、播磨国の大部荘で武装した数百人の悪党が数千人の人夫を率いて荘内に押し入り年貢米や牛馬などを略奪するという事件が起きました。

この集団のなかに「河内の入道」というものが参加していましたが、この人物こそが正成の一族のもの、あるいは正成の父親ではないかと考えられています。

裏切りや寝返りが当たり前だったこの時代、長く後醍醐天皇に忠実に仕えたその姿は「忠臣」であり、まさに日本を代表する英雄といっても過言ではありません。

参考:小泉 宜右 『悪党

 

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