日本最古の三角関係♡禁断の恋に揺れた飛鳥時代の万葉美女「額田王」その2

小山 桜子

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る・・・。

この素敵な歌は「万葉集」に収められている額田王(ぬかたのおおきみ)が作った歌です。

作者の額田王は、飛鳥時代の皇族で、万葉歌人としても知られる高貴な女性です。彼女のこの歌が有名なのは、この歌が日本史史上に残るおそらく最初の三角関係の恋物語を詠みこんだものだとされているからです。

今回は前回に引き続き、2人の天皇に愛された美しい歌人、額田王の人生と恋をご紹介します。

前回の記事はこちら。

日本最古の三角関係♡禁断の恋に揺れた飛鳥時代の万葉美女「額田王」その1

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る・・・。この素敵な歌は「万葉集」に収められている額田王(ぬかたのおおきみ)が作った歌です。作者の額田王は、飛鳥時代の皇族で、万葉…

夫の兄に見初められる

美しく、歌の才能もあった才色兼備の額田王。彼女は16歳で宮仕えを始めるとすぐに、時の女性天皇・皇極天皇(こうぎょくてんのう)に気に入られ、19歳の時に皇極天皇の2番目の皇子・大海人皇子(おおあまのおうじ)の妃となりました。やがて娘である十市皇女(とおちのひめみこ)が生まれ、額田王は女性としての幸せを噛み締めていました。

しかしこの後、彼女に波乱が訪れました。若く美しく、歌を詠む才能もあった額田王を、夫・大海人皇子の兄である中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)が気に入ってしまったのです。

2ページ目 弟の妻を横恋慕!?

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