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なんと馬と結婚した女性の末路…「遠野物語」より、オシラサマのエピソードを紹介

なんと馬と結婚した女性の末路…「遠野物語」より、オシラサマのエピソードを紹介:2ページ目

馬の首に縋りついた娘が……

さぁ、娘が馬と「夫婦になった」ことを知った父親は、烈火の如く怒り狂います。

「おのれ畜生の分際で、大事な一人娘をたぶらかしやがって!」

「おっ父ぅ、やめてけろ!」

懇願する娘も顧みず、父親は馬を裏庭にある桑の木につるし上げ、斧でその首を叩っ斬ってしまいました。

「あぁ……何てむぞい(かわいそう)!」

娘が叩っ斬られた馬の首に縋りついて泣いていると、どういう訳か、馬の首ともども飛んでいってしまったそうです。

たった一人の大切な娘を失った悲しみに暮れていた父親は、ある晩不思議な夢を見ました。

「おっ父ぅ、親不孝な娘でごめんなぁ……その代わりって訳じゃあねぇんだども……」

夢に出て来たのは娘と馬。共に婚礼衣装のハレ姿です。

「裏庭の桑の木で、私たち夫婦を彫ってお祀り下されば、きっと功徳がありましょう」

自分たちの結婚を認めて欲しい……そんな娘の思いに、とうとう父親も折れて馬と娘の像をお祀りするようになりました。

その像は桑を削った棒の先端に顔を彫り込んだ素朴なもので、幾重にも布を着せて支えるのですが、どういう訳か迷い事などある時には馬の顔がどちらかへ向いて「お知らせ」してくれるので、いつしか「お知らせ様」と呼ばれるようになり、それが転じて「オシラサマ」として今日に伝わっているそうです。

どんどはれ(昔話などで「おしまい」の意)。

3ページ目 『聴耳草紙』には更に後日譚があり…

 

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